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■ 2016年に関西地方で観察された「オジロビタキ」2種

仮称"東"種: オジロビタキ(旧称:オジロビタキ亜種オジロビタキ)
 Ficedula albicllia  Taiga Flycatcher

仮称"西"種: ニシオジロビタキ(旧称:オジロビタキ亜種ニシオジロビタキ)
 Ficedula parva  Red-breasted Flycatcher 

この年は年始と年末に「オジロビタキ」2種を近郊で複数観察できる機会に恵まれた。
これまで本州で越冬記録のあった「オジロビタキ」の大半の個体が、精査してみると実は「ニシオジロビタキ」だったのでは?という見解が有識者より提唱されて以来、もともとの"東"種Taigaは、日本海側の島嶼を中心に春期に短期間通過するのみなのではないか、とも一部の鳥屋の間で噂されていた。
そのため、関西近辺で2冬連続で"東"種の特徴を持つ個体が現れ、しかも1日近郊を回れば"西"種との実物比較が簡単にできてしまうようなとんでもない(素晴らしい)事態は想定していなかった。

両種を観察して、下嘴と上尾筒の色の違いの他、地鳴きの違いを比較できたのが収穫だった。
("東"オジロビタキは「ジリリリー」とか「ジー」に聞こえる程の連音の速さが特徴、
 ニシオジロビタキは「ヂヂヂヂ」「ビビビビ」の様な力強いはっきりとした連音)
幼羽の三列風切の羽縁が"東"種は明瞭な傾向があり、特に羽軸の先端に特徴が出ることも今回よく判った事の一つだった(図鑑の記述だけではいまいちピンとこなかった)。

今のところ"東"種の越冬情報は数少ないようだが、今後は観察眼が増えることで全国で記録が増えるかもしれない。

文責・写真 N.Kawano ("@Stint")





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