Adult breeding Charadrius mongolus
メダイチドリ成鳥夏羽 

前のページでも書いたが、メダイチドリの亜種で日本に多く渡来する C.m.stegmanni およびC.m.mongolusの、両亜種の野外識別に挑戦することは相当困難なことと思われる。大阪の某氏が作成された、日本で採集され欧州の博物館に所蔵されている標本の同定結果を地図上にプロットした図を見せてもらったところでは、両亜種の中間的な個体もあるが、関東近辺でstegmanni が、中部地方近辺でmongolusがプロットされていた。そこで、全く確証はないが、それぞれの地域の個体を観察することで両亜種識別の手がかりが見つかるかもしれないと勝手に想像して、ほぼ同時期に両方の地域を廻ってみた(本当は別の目的だったのだが・・汗)。

思ったよりメダイの写真が撮れず、n値が相当少なくなってしまったので結局何とも言えないのだが、下の2個体を見る限りでは、嘴の長さ・形状に明らかな差異があるのが判る。写真上の個体は関東でも多く見かけるタイプで、嘴が太短く先端に丸みがある(細かく書くと嘴底線-下嘴先端の傾斜のついた箇所-が非常に発達している)のが判るだろうか。これに対して写真下の個体の嘴は若干長く、上嘴の嘴爪が発達して先端が尖っているのが見て取れる。

両亜種の特徴として、聞いたところでは嘴の形状の相違もあるとされ、stegmanni は亜種中最短の嘴とされる。ここからは全くの想像に過ぎないのだが、上の個体がstegmanni (系)、下がmongolus(系)ではないかという仮説を立てることはかなり無謀な考えだろうか。(断っておきますが根拠はありません)

もし地理的に両方のタイプの傾向が存在するとなると興味深いと思う。ま、どーでもいいという人が殆どだろうが、暇な方(失礼)はぜひ確かめてほしいものだ。


個体B
C. mongolus
(race stegmanni ?)
千葉県習志野市谷津干潟
Nikon E4500 + Kowa TSN-4 (撮影:"@stint"NK)


個体C
C. mongolus (race stegmanni or mongolus?)
三重県松阪市金剛川河口
Nikon D1H + Nikkor ED 500mmF4 x 1.4tele (撮影:"@stint"NK)


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