Breeding plumage Long-toed Stint Calidris subminuta
ヒバリシギ夏羽 石川県 2006年5月
Nikon D200 + Nikkor ED500mmF4P x1.6 (撮影:@stint)
ヒバリシギの夏羽個体は案外観察の機会は多くない。幼鳥と比べると本州を通る個体数はかなり少ないと思われる。もちろん生息環境の内陸湿地(休耕田、蓮田)が
乾田化などが進み少なくなっている事も減少の要因なのだろうが・・。
ヒバリシギは夏羽のパターンはトウネンのそれよりもヨーロッパトウネンに似ている。雨覆の軸班が太く赤褐色が強くなる。マントル部のV字班はヨーロッパトウネンよりも顕著に現れる。
頭部は帽子状に赤褐色部があり、頬は赤味が少ないのでトウネン・ヨーロッパトウネンとは顔つきが一見して違って見える。
初列風切は3列風切より突出しないのが特徴で、個体差はあるがこの形質はかなり安定している。
脚は黄色で指が長い。体型は頭部と胴体の大きさの比率において、トウネンよりも頭部が小さく見える。
せわしなく歩き回りながら餌を採ることが多い。
問題はアメリカヒバリシギ(公式記録なし)との識別だが、ヒバリシギに対して体型はヨーロッパトウネン寄りで(頸が短い)、背面のV字がやや不明瞭、頭央線が嘴基部に繋がらない、等が特徴とされる。しかし海外の図鑑を見ると個体差があって結構ヒバリシギに似ているものもあるので実際のところよくわからない。ちなみに昔の図鑑では胸の班と腹の白の境目が明瞭だとアメリカ、という記述があったがこれは誤り。
|