L13-15cm 　 P / W

【分布】
日本全国　少ない旅鳥。沖縄地方では越冬する個体が数多く見られる。
東シベリア高緯度地方で繁殖し、北極圏には達しない。主にはインド・東南アジア方面へ渡る。

【環境】　　
休耕田、蓮田、埋立地など。　内陸性傾向が強く海岸干潟や砂浜ではまず見られない。　

【印象】　　
・トウネンと比較すると、脚が長く、頸が長く頭が小さいプロポーション。そのためトウネンやヨーロッパトウネンと全長がほぼ同じでもややスマートで華奢な印象。
・頸を伸ばすとウズラシギに近い印象も受けるが、ウズラシギほど太っておらず、頸が細めで脚先が肥大気味な印象を受ける。
・上記のプロポーションの印象の違いは、未記録のアメリカヒバリシギ（脚がやや短く、頭がトウネン的に大きめに見える）との識別にも有効。（ただし羽毛を膨らませて縮んでいると、胴体が短い分、逆にかなり丸い体形に見えることがあるので注意が必要。）
・静止時は、初列風切先端は三列風切に殆ど隠れる。尾羽先端はそれらより若干後ろに出る程度。
・足は黄色で、英名(long-toed)の通り、身体に対して中趾がかなり長い。この点はCalidris属の中でも本種の最大の特徴。
・嘴は先端が尖り僅かに下湾する。下嘴の基部に淡色部がある。
・泥地を走り回りながら、胴体を前傾しせわしなく採餌するので、トウネンよりも活発な印象を受ける。

（夏羽）
・頭部の赤褐色の帽子状の模様が大きく目立つ。
・上背の淡色のV字模様が明瞭。（ただし換羽前、摩耗した個体では目立たない場合あり）
・肩羽、雨覆、3列風切共に、太い暗色の軸班と赤褐色の羽縁のコントラストが強いので全体的に模様のメリハリがかなり強い印象を与える。特に夏羽に換羽完了した雨覆は羽縁の太さが幼羽よりも太く赤味が強い。
・完全な夏羽は頬の赤味が強くなる。
・首の前側から胸にかけて細かい縦班が密に入る。

（冬羽）
・全体に灰色味が強くなるが、肩羽・雨覆の軸班がトウネンやヨーロッパトウネンと比較して太い。
・頭部の班が太く、完全な冬羽でも帽子状の模様の痕跡に見える。
・成鳥冬羽では下嘴の基部の淡色部が黄色く目立つ。（第1回冬羽ではあまり顕著ではない）

（幼羽）
・印象は夏羽に似るが、頬の赤味は少なく、雨覆の羽縁は比較的細い。（ただしそれでもトウネンよりは模様のコントラストがかなり強い）
・頭部の赤褐色の帽子状の模様が特に目立つ。
・幼羽では上背の淡色のV字模様は特に明瞭で、黒く縁取られる。

【鳴き声】
プリッ

【類似種】　※種名クリックで各種のページへリンク
　■要注意：
　 ■アメリカヒバリシギ[未記録]（模様、全体印象）
　■ヨーロッパトウネン[ニシトウネン]（摩耗個体、幼羽、冬羽 ：脚が泥で見えない場合）
　●やや注意：
　●ウズラシギ、アメリカウズラシギ（大きさが不明の場合）　

【雑学】
オジロトウネンと同様、内陸性シギの代表種。
欧米では殆ど見られないので、トウネン・ウズラシギ等と同様に日本を含むアジア地域の人々がしっかり見ておく必要がある鳥といえる。

初期　Fresh
May 2006, Ishikawa Pref.
April 2006, Okinawa Pref. (photo: Kimura)

摩耗個体　Worn
August 2009, Kyoto Pref.
August 2007, Mie Pref.
July 2000, Kyoto Pref. -partially worn

October 2007, Okinawa Pref.

Feburary 2003, Okinawa Pref.
January 2000, Okinawa Pref.(photo: Koyama)
December 1999, Okinawa Pref. / January 1991 , Okinawa Pref.(photo: Koyama)

初期　Fresh
August 2007, Kyoto Pref.
August 2005, Kyoto Pref.
August 2004, Kyoto Pref.
August 2000, Kyoto Pref.(1,2)

摩耗個体　Worn
October 2007, Okinawa Pref.
August 2007, Osaka Pref.