Sharp-tailed Sandpiper  Calidris acuminata
 ウズラシギ (Uzurashigi)
   
 


L17-22cm   P

【分布】
日本全国で旅鳥。かつては群での渡来も見られたが、近年は小群または単独で観察されることがほとんど。春期の方が渡来数が多い。
ユーラシア北部の北極圏の限られた地域で繁殖し、インドネシアからニューギニア、オーストラリアまでの地域で主に越冬するが、
日本国内での越冬例はほとんど無いと思われる。

【環境】 
主に水田、蓮田、埋立地。時折、河口干潟、海岸干潟にも入る。
(内陸湿地に入る傾向が強いが、塩性干潟へも適応ができる)

【印象】 
・模様や体型など外見の印象はヒバリシギに似ているが、大きさはハマシギに近いサイズなので、比較対象があれば間違うことはない。
・ヒバリシギほど華奢な印象は無く、割と太った厚みのある体格の印象。
・アメリカウズラシギとはサイズ、体型が良く似ているが、アメリカウズラシギのように胸の班と腹部の白色無地の境界が明確にはならない。
・三列風切先端から初列風切は突出する。尾羽先端が3列風切先端よりはかなり後の位置にあるので、ヒバリシギと区別できる。(初列風切先端は尾羽先端とほぼ同じ位置になる。)
・全羽衣を通じ、頭頂部に帽子を被ったような赤褐色の部分がある(ただし冬羽では色が薄くなる)。
・嘴は先端が若干下湾する。下嘴基部はやや淡色だが上嘴は基部まで暗色のことが多い(アメリカウズラシギでは上嘴基部まで広く淡色の事が多い)。
・脚の色は緑ががった黄色。ヒバリシギほど中趾が相対的に長くはない。

(夏羽)
・頭部から腹部にかけて班が密にある。
・胸から脇にかけての班の一つ一つの形状がV字型(<<)をしているのが特徴で、摩耗していてもこの班の形状が見られればアメリカウズラシギを否定する識別点になる。

(冬羽)
・全体に灰色味が強くなり、胸や腹の班は薄くなる。

(幼鳥)
・全体にバフ色味が強い。
・頭部から胸・脇にかけて縦班が入るが、胸の前方の班の密度が薄く無班部分が腹部から胸まで広がっている。そのため正面から見ると胸の前方では無班部分が大きく見える。(アメリカウズラシギでは胸の前方の班の密度が濃く、腹部の無班部との境界が正面から見るとやや直線型で境界が明瞭に見えるため全く印象が異なる。)

【鳴き声】
プリーッ プリリ 

【類似種】 
※種名クリックで各種のページへリンク
 ■要注意: ■アメリカウズラシギ(各羽衣を通じて・特に摩耗個体に注意) 
 ●やや注意: ●ヒバリシギ(大きさの比較ができない場合) 

【雑学】
・日本では昔は普通種の印象があったが、近年は渡来個体数がかなり減少傾向にある。(1974-2003年で春期は80%減)
・摩耗して模様のメリハリが強くなった個体がアメリカウズラシギと間違えられ一喜一憂されることがある。しかし世界的に見れば渡来分布がウズラシギの方が極東に限定されるので、ウズラシギこそ日本人がしっかり見ておく必要のある種の一つといえる。
・英名のsharp-tailed(尖った尾)とは、尾羽全体の形状ではなく、尾羽の1枚1枚の先端部が尖っていることから付けられている。しかし野外でこの部分の形状を確認することはなかなか難しい。

   
 ウズラシギ画像集  more images

夏羽 Breeding plumage

初期 Fresh
April 2004, Osaka Pref.(1,2)
May 2004, Osaka Pref.(1,2) -moulting

摩耗個体 Worn
August 2013, Kyoto Pref.
August 2010, Gifu Pref.
August 1999, Ibaraki Pref.
October 1991, Osaka Pref. (photo: Koyama)


冬羽 Non-breeding plumage

September 2003, Okinawa Pref. (photo: T.T.)

 

幼羽 Juvenile

October 2008, Aichi Pref.
October 2007, Okinawa Pref.
October 2003, Aichi Pref. (photo: T.T.)


 
 
  


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