Breeding plumage (female) Bar-tailed Godwit
Limosa lapponica menzbieri

オオソリハシシギ成鳥夏羽(雌)(亜種コシジロオオソリハシシギ?)  
佐賀県 2007年5月
Nikon D200 + Nikkor ED500mmF4P x 1.4 (撮影:@stint)


日本に渡来する主な亜種オオソリハシシギL. l. baueri が、腰から上背まで縞模様が密に入り、遠目では腰は白っぽいが上背は比較的暗色に見えるのに対し、亜種コシジロオオソリハシシギL. l. menzbieri は、腰から上の縞模様が少なく、より白っぽく見えるとされる。
下の画像のうち1個体は、上背への白色部の食い込みが他の個体よりもよりはっきり白く目立つので、亜種コシジロ・・・の可能性がある。(但し全く確証はありません)

亜種オオソリハシシギがアラスカ西部で繁殖するのに対し、亜種コシジロ・・・はシベリア東部で繁殖する。
問題は両亜種の中間的な形質を持つ個体が果たしてどの程度存在するのか、また亜種コシジロ・・・が実際のところ日本にどのくらい渡来しているのか、殆ど解っていないことなのだが、これらの亜種に関心を持ってオオソリハシシギを観察することで、「コシジロ的な」個体の撮影記録が増えれば、この亜種の識別点や渡りルート等に関する知見も今後より豊富になってくるのではないかと思う。

なお、亜種コシジロ・・・については、Shorebirds-wadersさんのサイトで詳しく触れられているので、非常に参考になります。


亜種オオソリハシシギL. l. baueri と亜種コシジロオオソリハシシギ雌L. l. menzbieri と思われる個体の混群


下側の典型的なbaueri と比較すると、上のmenzbieriと思われる個体は、上背まで白色が強くマントル部との境界が明瞭。


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