Long-billed Dowitcher   Limnodromus scolopaceus
  オオハシシギ (Ohashishigi)

    


L27-30cm    P / W

【分布】
日本全国で少ない旅鳥・冬鳥。
東シベリアからアラスカ・カナダの一部にかけての北極圏で繁殖、主要な越冬地はアメリカ西海岸〜南部、中米。

【環境】
水田、蓮田、溜池、水路、埋立地、泥質の干潟など。

【印象】
・体型のシルエットや行動はタシギに似る。
・長く真っ直ぐな嘴を持つ。嘴は先端から黒く、基部に近い部分は淡色で黄緑味を帯びる。
・上尾筒から腰は白地に暗色の細かい縞模様があるが、腰から上背まで食い込む白色部分は無班。
・尾羽は上尾筒同様の細かい縞模様。
・足は黄緑色。
・翼下面は下雨覆に模様が入る。

(夏羽)
・胸から腹部が赤褐色になる。頭部は赤味が少ない。
・胸から脇腹にかけて横班が密に入る。胸の班はあまり丸いスポット状にはならない。
・肩羽、雨覆、三列風切に明瞭な模様がある。

(冬羽)
・全体に灰色になる。腹部は白。
・胸は無班で一様な灰色。

(幼羽)
・頭部は灰色味が強いが、背面に褐色味がある。
・三列風切には模様が無いか、斑点状で少ない。(アメリカオオハシシギ幼羽では複雑な模様がある)

【鳴き声】
ピッピッピッ

【類似種】  ※種名クリックで各種のページへリンク
   ■要注意:
     ■アメリカオオハシシギ(幼羽以外は模様と体型が酷似する。冬羽では識別困難。)
     ■シベリアオオハシシギ(嘴の形状が似ている)
   ●やや注意:
     ●タシギ(逆光シルエット時は体型、行動がよく似て見える。)

【雑学】
・アメリカオオハシシギとの識別が問題視されるが、幼羽以外で両種を確実に識別できるケースは少ないと思われる。特に冬羽では両種の識別は困難を極める。嘴の長さは個体差が大きく、識別の判断材料にできないケースがあるので注意する必要がある。アメリカオオハシシギと比較して、採餌時に背中を丸める傾向があると記述されたアメリカの図鑑もあるが、それだけで識別することは危険と思われる。
ちなみに以前に管理人がアメリカ在住のバードウオッチャー(かなりエキスパートの人)に両種の識別について聞いた話では、「内陸に居るのがLong-billedで、海岸に居るのがShort-billedとしてカウントしている」という言い方をされたので、両種が混在する地域での細かい野外識別はあまり一般的ではないのが事実のようだ。ただし経験的にオオハシシギの方が内陸棲傾向があることは確かなのだろう。


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夏羽   Breeding plumage

初期  Fresh
April 2003, Ishikawa Pref.
April 2001, Ishikawa Pref.(photo: T.T.)


冬羽   Non-breeding plumage

December 1999, Chiba Pref.
December 2003, Fukuoka Pref.

 
第1回冬羽   1st-winter

December 2006, Aichi Pref.
Feburary 2007, Aichi Pref.
Feburary 2006, Aichi Pref.


幼羽   Juvenile

September 2010, Okayama Pref.
November 2003, Tokyo Pref.(photo : Ozawa)




  


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