L25-27cm P / W
【分布】
本州中部以北で旅鳥、本州中部以南で多数が越冬する。日本で見られるタシギ属の中では最も個体数が多いが、全国的には激減している。
亜種G.g.gallinagoはユーラシア大陸北部で広く繁殖する世界的普通種。
【環境】
水田、蓮田、水路、池沼の泥地など。広い水面のある浅い水中に好んで入り集団で採餌する。
【印象】
・オオジシギ、チュウジシギよりもサイズが一回り小さい。
・夏羽・冬羽の肩羽は片側の縁のみに淡色で太い直線的な形状の羽縁が目立つため、他のジシギ3種(オオジシギ、チュウジシギ、ハリオシギ)と比較して背面全体で淡色の太いストライプ状にはっきりと見える事が多い。
・幼羽では肩羽、雨覆の褐色味が強く、肩羽の片側の縁のみに細く白い直線状の羽縁が目立つ。
・他のジシギ3種よりも過眼線が眼先で太い。
・嘴が非常に細長い印象。そのため嘴に対して頭部が小じんまりとして見える。
・尾羽は身体に対して比較的大きく、尾部が後方に細く突き出る。静止時に赤い部分が大きく見える。
・尾羽の枚数は通常14枚、外側尾羽の幅が広く、広げると扇子状に目立つ。
・翼後縁の白帯が飛翔時に目立つのが特徴。
・日本で見られる亜種G.g.gallinagoは、翼下面は白色部分が大きい。
・警戒心が強く、ジェッと力強く鳴いてジグザグに素早く飛んで逃げる。
・争い時に尾羽を持ちあげて広げて威嚇することも多い。
・オオジシギ、チュウジシギ、ハリオシギとは習性が異なり、浅い水中に積極的に入り採餌することが多い。(オープンな広い水面の真ん中で採餌するジシギは99%がタシギだと思っても良い。)
(以下作成中)
【鳴き声】
ジェッ
【類似種】 ※種名クリックで各種のページへリンク
■要注意: ■オオジシギ ■チュウジシギ ■ハリオシギ
●やや注意: ●アオシギ ●コシギ ●オオハシシギ
【雑学】
・関西地方では秋期は8月中旬より通過個体が現れ始め、9月中旬より数が急激に増え始める。チュウジシギ・ハリオシギの渡来時期とあまり見慣れない幼羽のタシギの渡来時期が重なるので注意を要する。
・アメリカ産の亜種ウィルソンタシギWilson's snipeは近年は別種とされる事が多い(G.delicata)。日本では未記録。亜種タシギと異なり、翼下面は白色部分が少なく、翼後縁の白帯が目立たない。
・英名ではFantail Snipeという別名がある。扇子状の尾羽の形状をよく示していると思う。
・日本ではシギ類の中で狩猟鳥なのはタシギとヤマシギのみ。タシギは山村にも棲息するので、季節的にはアオシギの誤射が懸念される。タシギは食材としてフランス料理ではベカシーヌと呼ばれる。
(以下作成中)
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