L28-30cm B / P
【 分布 】
北海道で主に繁殖し、その他、本州・九州の高原で局地的に繁殖。
北海道では海抜0m地域でも多数が繁殖しているが、本州以南での繁殖個体数はかなり少ない。
越冬地は東オーストラリア。
【 環境 】
繁殖地では草原、湿地帯、牧草地など。通過地では水田、休耕地など。
タシギと比較すると、広い水面のある水中には入らない傾向があり、水際の泥地や草地で採餌する(ミミズの多い場所を好む)。
【 印象 】
・シルエットはタシギに酷似するが明らかにサイズが大きい。、頭部に対し胴体が大きく、太長く見える。チュウジシギと紛らわしい。
・尾羽の枚数は通常16枚または18枚(最少14枚)。雄の方が枚数が多く長い傾向があるとの報告がある。外側尾羽の幅は細いがチュウジシギのそれよりは太い(4〜6o)。外側尾羽は白地に黒縞があり淡色部の多い個体が多い傾向がある(ただし個体により黒色模様の面積が大きくかなり黒っぽく見えるものも居るため、色・模様は絶対的な識別点ではない)。
・尾羽がチュウジシギより若干長く(静止時に赤い部分がより広く見える傾向)、かつ尾部全体のボリューム感があるため、後半身がチュウジシギよりも長く突出した体形に見えることが多い。(下参照)
▼参考 後半身の比較イメージ 左:オオジシギ 右:チュウジシギ Latham's(left)& Swinhoe's(right)
・頭部から胸部にかけて淡色の範囲が広く見える傾向が強い。
・成鳥は、眼が顔に対し小さめで若干上側に寄っており、顔の前部の淡色部が多いため、眼と嘴の距離が長い錯覚を感じることが多い。
ただし幼鳥個体では成長過程のため眼が大きく見えたり、また嘴基部の羽毛の状態に変化が多いことにより、上記のような顔の印象が無い個体も多いため注意が必要。
・成鳥夏羽では雨覆の淡色傾向が強く、黒色帯が細い傾向がある。ただし個体差があり注意が必要。
・幼羽では肩羽の褐色味が強く、淡色の細い均一な羽縁がある。(チュウジシギ幼羽、ハリオシギ幼羽に似る)
夏羽・冬羽では肩羽の羽縁の形は左右非対称。
・翼下面は細かい模様が密に入り暗色に見える。翼後縁の白帯は目立たない。
(以下作成中)
【 鳴き声 】
ゲッ
繁殖期:ズビー、ズビーヤク、降下しながら尾羽でゴゴゴゴと音を出す
【 類似種 】 ※種名クリックで各種のページへリンク
■要注意:
■チュウジシギ ■タシギ ■ハリオシギ
●やや注意: ●オオハシシギ
【 雑学 】
・繁殖地では縄張りの上をズビヤクと大声で鳴きながらディスプレイフライトを行い、尾羽を広げて急降下して特徴的な音を出す。特に早朝・夕方によく行われる。数羽の集団で鳴きながら飛びまわることもある。樹木や電柱の上でもよく鳴く。
・世界的に繁殖分布が限られている為、日本で見られるジシギの中では最も保護が必要な種と言える。北海道では平地で多くが繁殖しているが、本州・九州では標高の高い場所に限られるため個体数は少ない。
・繁殖後の成鳥・幼鳥の通過個体は、管理人の住む関西地方では7月中旬から8月中旬にかけて見られる。(チュウジシギとは渡りのピークがずれる。)北海道産の個体群は本州を通過せずに一気に越冬地へ南下すると考えられるので、本州の平地での渡り個体は北海道以外の個体群の可能性もあると筆者は推測している。
(以下作成中)
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