L25-27cm P / W
【 分布 】
シベリアで広く繁殖し、主にインド、東南アジアへ渡り越冬。
日本では通過個体が見られ、本州では数少ないが、沖縄では秋期のジシギの中で本種が占める割合が多い。またごく少数が越冬する。
【 環境 】
水田、休耕地など。比較的、草の多い場所を好み、田圃の狭い畔に居ることが多い。
タシギと比較すると、広い水面のある水中にはあまり入らない傾向があるが、水面で採餌することもある。
【 印象 】
・シルエット、サイズはタシギに酷似するが、以下の特徴が見られる。
・オオジシギ、チュウジシギと比較すると胴体に対して頭部が大きいプロポーション。顔に対して眼が大きく、額がやや出っ張って見える。 ただし沖縄地方ではハリオシギとチュウジシギの個体差が多く体形の印象のみで判別しにくい場合がある。
・日本で見られるタシギ属の中では最も尾羽が短く見える(静止時に赤い部分がかなり小さく見える傾向)。
尾筒部分も全体に短いため、4種中では最も後半身が寸詰まりに見えることが多い。
・尾羽の枚数は通常26枚。外側尾羽はきわめて細く(幅1〜2o)Pintailの名の由来となっている。これらは長さも短いため、野外観察では尾羽を広げても赤い中央尾羽周辺の10枚程度しか見えない場合が多い。
・嘴はタシギよりも太短い印象。
・幼羽・第1回冬羽では、頭側線は赤褐色の地色に小班が入る模様となる傾向が強い。
・幼羽では肩羽、雨覆の赤褐色味が強く、淡色の細い均一な羽縁がある。夏羽・冬羽では肩羽の羽縁の形は左右非対称。
・翼下面は細かい模様が密に入り暗色に見える。翼後縁の白帯は目立たない。
(以下作成中)
【 鳴き声 】
ジャッ
【 類似種 】 ※種名クリックで各種のページへリンク
■要注意: ■チュウジシギ ■タシギ ■オオジシギ
●やや注意: ●オオハシシギ
【 雑学 】
・幼鳥の幼羽から第1回冬羽への換羽時期が遅いのか、本州の通過個体ではフレッシュな幼羽個体が見つかる場合が多い。一方でオオジ・チュウジは既に第1回冬羽へ換羽した個体が同時期に多く見られるため、以前は幼羽の肩羽を均一に囲む羽縁があることがハリオシギの特徴であるという誤った認識が流布されていた時期があった。実はいずれの種でも同様に幼羽の肩羽には均一な羽縁が見られ、成鳥では左右非対称の羽縁形状になるため、肩羽の羽縁の形状は種の識別点にはなり得ない。羽衣による年齢識別の重要さを実感するエピソードである。
・あくまでも観察経験からであるが、警戒すると飛び跳ねるような動作を比較的よく行う。
・繁殖地ではオオジシギの様に針状の尾羽を使って特徴的な音を出す。
(以下作成中)
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