L27-29cm P / W
【 分布 】
ロシア中部やウスリー川付近で繁殖し、インド、東南アジア、オーストラリア北部で越冬する。
日本では主に通過個体が見られる。南西諸島では少数が越冬すると思われる。
【 環境 】
水田、休耕地など。田圃の狭い畔に居ることが多い。
タシギと比較すると、広い水面のある水中には入らない傾向があり、水際の泥地や草地で採餌する(ミミズの多い場所を特に好む)。
【 印象 】
・シルエットはタシギに酷似するがサイズが大きく、頭部に対し胴体が大きく見える。オオジシギと紛らわしい。
・尾羽の枚数は通常20枚(地域により20〜22枚、最少18枚)。外側尾羽の幅はオオジシギのそれよりも細い(2〜4o)。本州で見られる個体では外側尾羽の模様は先端の白斑以外は暗色部が多く占める傾向がある(ただし個体により淡色部の多いものも居るので色・模様は絶対的な識別点ではない)。
・尾羽はオオジシギよりも若干短めで(静止時に赤い部分がやや小さく見える傾向)、かつ尾部全体がボリューム感にやや欠けるため、オオジシギよりも後半身がやや短く貧弱感のある体形に見えることが多い。(下参照) ただし、ハリオシギよりは尾部が若干長く見えることが多い。
▼参考 後半身の比較イメージ 左:オオジシギ 右:チュウジシギ Latham's(left)& Swinhoe's(right)
・幼羽・第1回冬羽では、頭部から胸部にかけて暗色班が多く、オオジシギよりも全体的に暗色に見える傾向が強い。
ただし成鳥ではオオジシギ同様に淡褐色の多い個体がいるので注意が必要(特に夏羽は淡色部が多くなる)。
・成鳥・幼鳥共にオオジシギよりも雨覆の黒色帯が太く暗色部が多く見える傾向がある。ただし個体差・地域差が大きく絶対的ではない。またオオジシギ幼鳥にも暗色に見える個体がいるため注意が必要。
・幼羽では肩羽の褐色味が強く、淡色の細い均一な羽縁がある。(ハリオシギ幼羽、オオジシギ幼羽に似る)
・夏羽・冬羽では肩羽の羽縁の形は左右非対称。 ・翼下面は細かい模様が密に入り暗色に見える。翼後縁の白帯は目立たない。
・渡り期の個体は警戒してもすぐに飛び立たず、歩いて物陰に隠れるか、飛んでも重そうに飛翔し短距離で降りる事が多いと言われる。
・飛び立つ時の声がタシギよりも弱い事が多い。
(以下作成中)
【 鳴き声 】
クエッ、ジェッ
【 類似種 】 ※種名クリックで各種のページへリンク
■要注意: ■オオジシギ ■ハリオシギ ■タシギ
●やや注意: ●オオハシシギ
【 雑学 】
・尾羽枚数は通常20枚とされているが、バンディング調査された結果、関東地方では18枚の個体も多く、石垣島では21〜22枚の個体の割合が比較的多いという報告があることから、枚数には性差や地域差のあることが示唆されている。
・沖縄地方のチュウジシギは本州の個体よりも淡色で小柄な個体が多く、幼鳥の換羽時期も遅くハリオシギと識別しにくい個体も多いと言われる。本州の通過個体群とは別系統の個体群である可能性が示唆されている。
・管理人の住む関西地方では、繁殖後の成鳥・幼鳥の通過個体は、8月下旬から9月中旬にかけて数多く見られる。(オオジシギとは渡来数のピーク時期が明確にずれる。)
(以下作成中)
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