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Nordmann's Greenshank (Spotted Greenshank) Tringa guttifer
カラフトアオアシシギ (Karafutoaoashishigi) |
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L29-32cm P
【分布】
日本では数少ない旅鳥。全国で毎年数羽が確認される程度。有明海では比較的観察例が多い。春期の渡来はごく稀。秋期に単独または数羽で1〜2週間程度の滞在の記録が多いが、数か月ほどの長期滞在の例もある。越冬例は無いと思われる。
オホーツク海沿岸の一部およびサハリン島で繁殖しタイ、マレーシア周辺、ミャンマーの一部へ渡る。主な中継地は中国沿岸。
個体数の実態がはっきりしておらず、ヘラシギと共に東アジアの危機的状況にあるシギといえる。環境省レッドリスト絶滅危惧TA類(CR)。
【環境】
日本では河口干潟、海岸干潟、砂浜海岸、海岸に近い埋立地。
内陸部での記録は無いと思われる。
【印象】
・大きさはアオアシシギに近いが、第一印象はアオアシシギより脚が短く、シルエットはむしろソリハシシギに近い。アオアシシギと並ぶと明らかに背の位置が低い。首が太くがっちりとして見える。
・嘴は基部から太く、やや上に反っている。嘴基部の太さのため、アオアシシギに対して顔の印象にシャープさが欠ける。
・上背〜腰〜上尾筒まで白色で無班。・腹〜下尾筒も白色で無班。
・アオアシシギと異なり翼下面は無班で下雨覆は白色。
・脚は緑がかった黄色。外趾側・内趾側の全てに趾に沿った形状の蹼がある。(野外でもはっきりと見える。)
・脚が短いため飛翔時には脚の先端は尾羽よりあまり突出しない(尾羽が摩耗した場合は除く)。
(夏羽)
・全体に黒っぽく、頭部から胸、前方腹部にかけて大きく荒い暗色班が多数生じる。
・背面は黒褐色で、肩羽・雨覆の軸班も黒く、羽縁の白いノッチ型模様が目立つ。
・幼羽・冬羽と比べて、嘴が基部まで暗色になる傾向がある。
(冬羽)
・全体に灰色。頭部から後頸部にかけて灰白色、肩羽・雨覆・3列風切は灰色。アオアシシギ冬羽のような羽縁の黒点は入らないため、べたっとした印象。
・上下嘴共に基部から中央にかけて淡色で緑灰色味があり、先端部は黒色
(幼羽)
・頭頂部、背面は暗褐色で、羽縁に白い班が少数ある。
・大雨覆、3列風切の羽縁にアオアシシギ幼羽よりも大きな白いノッチ型模様がある。
・上下嘴共に基部から中央にかけて淡色で緑灰色味があり、先端部は黒色。
【鳴き声】
ケーッ
【類似種】 ※種名クリックで各種のページへリンク
■要注意: ■アオアシシギ(脚が見えない場合・顔が見えず寝ている場合・夏羽が摩耗し黒っぽい個体)
【雑学】
・総個体数は500〜1000羽程度と推定されているが、繁殖地の有効な調査・保護手段は取られていないと思われる。サハリンの開発が進んでいることや、越冬地での環境悪化や狩猟による影響が懸念される。サハリン島南部では80年代に開発により繁殖地が消滅し、同島北部に少数が残っているとされる。
・繁殖地では高さ数mの樹上に枝や地衣類を使って営巣する。
・太い嘴を生かして、カニや小魚を追って捕らえることが多い。
・英名はHayman,Marchant,Prater,1986などではSpotted Greenshankと記述されていたため、当サイトも長年それに準じていましたが、近年ではNordmann's
Greenshankの方が世間での通りが良さそうなので、そちらの名称に表記または併記を順次変更していくことにしました。
→<関連Link> Nordmann's Greenshank - species factsheet (Birdlife International) Nordmann's Greenshank (Thaibirding.com)
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カラフトアオアシシギ画像集 more images
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夏羽 Breeding plumage |
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摩耗個体 Worn
August 1992 :Aichi Pref. (photo: Koyama)
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冬羽 Non-breeding plumage |
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第1回夏羽 1st-summer |
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June 2008, Chiba Pref.
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第1回冬羽 1st-winter |
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September 2003, Aichi Pref.
September 1998, Hyogo Pref.
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幼羽 Juvenile |
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September 2010, Ehime Pref.
September 2004, Ishikawa Pref.
September 2002, Mie Pref. (photo: T.T.)
September 1992, Aichi Pref. (photo: Koyama)
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