Sanderling  Calidris alba
 ミユビシギ (Miyubishigi)
   
 
  


L20-21cm   P / W

【分布】
日本全国で主に旅鳥または冬鳥。春期は越冬個体がそのまま換羽する個体群と、通過する個体群が混じっていると推定される。
秋・冬・春に数十〜数百羽単位の群れで見られるが、国内でまとまった個体数が観察できる砂浜のある場所は限られている。
ユーラシア北部〜カナダ北部の北極圏、グリーンランドで繁殖。越冬地は北半球の低緯度から南半球の高緯度まで世界的に幅広く分布する。

【環境】  
海岸(砂浜)、河口干潟、稀に埋立地など。砂質で波の打ち寄せる場所を好み、繁殖地以外で内陸湿地ではまず見られない。
自然海岸の減少や、海岸レジャーの人の侵入の影響が大きく、ある程度長い距離の砂浜を狙って探す必要がある。 

【印象】
・トウネンに外観は似るが大きく、ハマシギに近い大きさ。比較的、胴が短く脚の長い体型。
嘴は直線的で太めでがっちりしており、トウネンよりやや長い。
・足は黒。第1趾(後趾)が無い。蹼(みずかき)は無い。
・3列風切先端からの初列風切の突出は大きい(PP+)。静止時に初列風切先端は尾羽先端より後に出る傾向が強い(WP+)。
・砂浜海岸を群で走り回り、波打ち際で波が引いた瞬間に干上がった場所でハマトビムシ類等をついばみ、波が打ち寄せると陸側に一斉に逃げる行動を繰り返しながら、海岸に沿って移動していく。。

(夏羽)
・トウネン夏羽にやや似ており頭部が赤褐色になるが、頭部全体に暗色班が混じる。
・トウネンと異なり雨覆まで羽縁が赤褐色の夏羽になる。

(冬羽)
・背面が灰色一色になり、ハマシギよりも明るい灰色のため、遠目では白く見えることが多い。
・翼角に黒色班があるが、羽毛に隠れて不明瞭な個体も多くいる。

(幼鳥)
・全体に白っぽいが冬羽よりやや褐色味がある部分が多い。
・トウネンよりは白色が強く、背面の暗色班とのコントラストがあり、モノトーンな印象なのが特徴。
・翼角に黒色班がある。

【鳴き声】
チュッ、 クリッ 

【類似種】 
※種名クリックで各種のページへリンク
 ■要注意:
  ■トウネン(大きさが不明な場合)
  ■ヨーロッパトウネン[ニシトウネン](同佐)
  ■ヒレアシトウネン[未記録種](春期の換羽中の個体)
 ●やや注意:
  ●ハマシギ(冬羽で寝ている時)
  ●ヘラシギ(幼羽で大きさ・嘴の形状が不明の場合)

【雑学】
・日本鳥類目録第6版や「フィールドガイド日本の野鳥」では本種の属名を
Calidris属ではなくCrocethia属としている。しかし国際的には前者が主流で後者はシノニムとして扱われていると思われる。(そのため当サイトではCalidris属として扱います。)
・当たり前だが、脚の第1趾(後趾)が無いのが「ミユビ」の名前の由来。
・換羽中の個体は非常に個体差があり、時折、正体不明シギとして混乱の元になることがある(その場合、第1趾の有無で正体が判る事が多い)。
・海岸では必ず砂浜に沿って移動するので、群の行動をよく見て待ち構えていれば、目の前を通過していくのが観察できる。

   
 ミユビシギ画像集  more images

夏羽 Breeding plumage

初期 Fresh
April 2007, Mie Pref.
May 2005, Mie Pref.
May 2004, Chiba Pref.

摩耗個体 Worn
August 2007, Mie Pref.
August 2004, Osaka Pref.
September 2001, Ibaraki Pref.


冬羽 Non-breeding plumage

September 2004, Mie Pref.
November 2002, Chiba Pref.(photo: Imai)

 
第1回夏羽 1st-summer
 

May 2006, Ibaraki Pref.(photo: Y.U.)


第1回冬羽 1st-winter

March 2007, Mie Pref.


幼羽 Juvenile

September 2004, West Jp.
September 1996, Hyogo Pref.


Variartions

October 1995, Mie Pref (photo: Koyama)- Albino

 
 
  


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